中国科学院と上海市人民政府が協力して設立したのが上海科技大学である。完全な中国科学院傘下の組織ではないため、中国科学院の関係者は0.5校分の大学であると呼んでいる。ちなみに、正式名称でも「科学技術」と言う文言ではなく、「科技」という文言が用いられている。

上海市と中国科学院は、急激に経済が発展していた浦東地区に研究型大学の設立を目指して協議を開始した。その後、上海市から浦東地区の土地の提供を受けて、2014年に教育部より上海科技大学の承認を得、同年9月正式に開学した。
上海科技大学は、浦東サイエンスパーク内の約70万平方メートルの敷地に建設されており、建設資金の約42億元(約700億円)は上海市が負担している。
江綿恒初代学長
初代で現在も学長の任にあるのは、江綿恒(Jian Mianheng)である。

江綿恒は、1951年江沢民元中国共産党総書記の長男として上海に生まれ、復旦大学を卒業後、1982年に中国科学院半導体研究所で修士号を取得した。その後上海冶金研究所(現在の上海マイクロシステム・情報技術研究所)に勤務の後、1986年に米国へ留学し、1991年にフィラデルフィア市にあるドレクセル大学より電気工学の工学博士号を授与された。その後中国に帰国し、1996年に上海冶金研究所所長、1999年に中国科学院の副院長となった。上海科技大学の学長は2014年からであり、当時は中国科学院上海分院院長を兼務していたが、2015年に中国科学院を定年退職している。
学生数、教職員数など
2014年には、207名の本科生(学部生)を入学させたが、その後順調に入学者数を増加させており、2016年で355名を入学させた。
2021年12月現在、本科生(学部学生)は1,712名、中国科学院と連携して教育する大学院生が3,283名となっている。大学院生のうち、修士課程学生が2,304名、博士課程学生が979名である。将来的には、本科生2,000名、大学院生4,000名の規模を目指している。
教授は622名となっている。
学部は、物質科学・技術、生命科学・技術、情報科学・技術、創業・管理学、創意・芸術、生物医学工学の6学部であり、それに加えて、免疫化学研究所とiHuman研究所、数学科学研究所、人文科学研究院を有する