このコーナーでは、ライフサイエンスについて、哲学面、倫理面、制度面等、さまざまな角度から、参加者とやりとりしながら考えていくスタイルで講義を行っていきます。
元になっているのは、当コーナーの著者である佐藤真輔ライフサイエンス振興財団理事兼嘱託研究員が、以前(2020年頃)、ある大学で教養課程の学生たちに対して行った講義ノートです。さまざまなトピックについて、学生と議論しながら、考える力を養っていくというスタイルで講義を進めました。当時としてはかなり斬新な取組みだったと思われますが、学生たちの評価ではそれなりに好評でした。
今回はそれを、ライフサイエンスの最新の進展状況も踏まえながら、あたかも実際の講義を中継しているような形でアップデートしてみました。ライフサイエンスには、じつにさまざまな側面があります。そこで、あえて体系化はしないで、それぞれのトピックを、講師の雑談も含めながら、緩急織り交ぜて、面白おかしく進めることで、読者の理解を深めようと考えました。まさに「よもやま講義」です。
仮想の参加者についても、ライフサイエンス振興財団のホームページの読者層も考慮して、学生だけではなく、いろいろな年齢・職歴・学歴の人々に変更し、各参加者が自分の主張をしながら話を進めていくという方式にしています。
仮想参加者は次の通りです。
S先生:文部科学省で長年、ライフサイエンスの行政や調査分析に携わってきている。
A君(男):スーパーサイエンスハイスクールの高校生。理科では生物を選択している。
Bさん(女):大学3年生。生物学科に所属し、専門課程で生物実験を始めている。
C氏(男):IT企業に勤めるエンジニア。
Dさん(女):子育て中の主婦。原子力や組換え食品に興味がある。
E氏(男):大企業(原子力関係)を退職し、現在は家でのんびりしている。
読者の皆様も、この講義を通じ、ぜひ、楽しみながらライフサイエンスを勉強していただければと思います。